仮設機材災害防止 法令集(全文抜粋版)
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364■ 関係法令及び通達等4通達等ウ移動時のフック等の掛替え時の墜落を防止するため、二つのフック等を相互に使用する方法(二丁掛け)が望ましいこと。また、ワークポジショニング姿勢を保ちつつ、フック等の掛替えを行うことも墜落防止に有効であること。エ二丁掛けを行う場合、2本の墜落制止用のランヤードを使用することが望ましいが、二本のうち一本は、ワークポジショニング用のロープを使用することも認められること。この場合、伸縮調整器により、必要最小限のロープの長さで使用すること。(3)体重に応じた器具の選定墜落制止用器具には、使用可能な最大質量(85kg又は100kg。特注品を除く。)が定められているので、器具を使用する者の体重と装備品の合計の質量が使用可能な最大質量を超えないように器具を選定すること。(4)フルハーネス型の選定ワークポジショニング作業を伴う場合は、通常、頭上に構造物が常に存在し、フック等を頭上に取り付けることが可能であるので、地面に到達しないようにフルハーネス型を使用することが可能であることから、フルハーネス型を選定すること。ただし、頭上にフック等を掛けられる構造物がないことによりフルハーネス型の着用者が地面に到達するおそれがある場合は、胴ベルト型の使用も認められること。4昇降・通行時等の措置、周辺機器の使用(1)墜落制止用器具は、作業時に義務付けられ、作業と通行・昇降(昇降用の設備の健全性等を確認しながら、昇降する場合を含む。)は基本的に異なる概念であること。また、伐採など、墜落制止用器具のフック等を掛ける場所がない場合など、墜落制止用器具を使用することが著しく困難な場合には、保護帽の着用等の代替措置を行う必要があること。(2)垂直親綱、安全ブロック又は垂直レールを用いて昇降を行う際には、墜落制止機能は求められないこと。また、ISO規格で認められているように、垂直親綱、安全ブロック又は垂直レールに、子綱とスライド式墜落制止用の器具を介してフルハーネス型の胸部等に設けたコネクタと直結する場合であって、適切な落下試験等によって安全性を確認できるものは、当該子綱とスライド式墜落制止用の器具は、フルハーネス型のランヤードに該当すること。(3)送電線用鉄塔での建設工事等で使用される移動ロープは、ランヤードではなく、親綱と位置づけられる。また、移動ロープとフルハーネス型をキーロック方式安全器具等で直結する場合であって、移動ロープにショックアブソーバが設けられている場合、当該キーロック方式安全器具等は、フルハーネス型のランヤードに該当すること。この場合、移動ロープのショックアブソーバは、第二種ショックアブソーバに準じた機能を有するものであること。第5墜落制止用器具の使用1墜落制止用器具の使用方法(1)墜落制止用器具の装着ア取扱説明書を確認し、安全上必要な部品が揃っているか確認すること。イフルハーネス型については、墜落制止時にフルハーネスがずり上がり、安全な姿勢が保持できなくなることのないように、緩みなく確実に装着すること。また、胸ベルト等安全上必要な部品を取り外さないこと。胴ベルト型については、できるだけ腰骨の近くで、墜落制止時に足部の方に抜けない位置に、かつ、極力、胸部へずれないよう確実に装着すること。ウバックルは正しく使用し、ベルトの端はベルト通しに確実に通すこと。バックルの装着を正確に行うため、ワンタッチバックル等誤った装着ができない構造となったものを使用することが望ましいこと。また、フルハーネス型の場合は、通常2つ以上のバックルがあるが、これらの組み合わせを誤らないように注意して着用すること。エワークポジショニング用器具は、伸縮調節器を環に正しく掛け、外れ止め装置の動作を確認するとともに、ベルトの端や作業服が巻き込まれていないことを目視により確認すること。オワークポジショニング作業の際に、フック等を誤って環以外のものに掛けることのないようにするため、環又はその付近のべルトには、フック等を掛けられる器具をつけないこと。カワークポジショニング用器具は、装着後、地上において、それぞれの使用条件の状態で体重をかけ、各部に異常がないかどうかを点検すること。キ装着後、墜落制止用器具を使用しないときは、フック等を環に掛け又は収納袋に収める等により、ランヤードが垂れ下がらないようにすること。ワークポジショニング用器具のロープは肩に掛けるかフック等を環に掛けて伸縮調節器によりロープの長さを調節することにより、垂れ下がらないようにすること。(2)墜落制止用器具の取付設備ア墜落制止用器具の取付設備は、ランヤードが外れたり、抜けたりするおそれのないもので、墜落制止時の衝撃力に対し十分耐え得る堅固なものであること。取付設備の強度が判断できない場合には、フック等を取り付けないこと。作業の都合上、やむを得ず強度が不明な取付設備にフック等を取り付けなければならない場合には、フック等をできる限り高い位置に取り付ける等により、取付設備の有する強度の範囲内に墜落制止時の衝撃荷重を抑える処置を講ずること。イ墜落制止用器具の取付設備の近傍に鋭い角がある場合には、ランヤードのロープ等が直接鋭い角に当たらないように、養生等の処置を講ずること。
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